コンソーシアム

京都に拠点をおく安里陽子、松島泰勝、冨山一郎の三人で、2012年に始めました。すぐさま答えの出ない問いを継続的に議論できる場を生み出すことを、目的としています。大切なのは答えより問いであり、まずは問いを共に表現する作業こそが重要なのです。不定期ですが継続的にワークショップやシンポジウムを開いています。趣旨は、アーカイブにある文書を見てください。

ワークショップ「冷戦、ジェンダー、環太平洋(トランス・パシフィック)帝国主義の様相について」

<奄美-沖縄-琉球>研究コンソーシアム・ワークショップ

ハワイ大学から小碇美玲さんをお招きして、ワークショップを行います。戦後米国による沖縄統治を、トランス・パシフィックな広がりにおいて検討するという極めて重要なテーマです。こうした作業をとおして、沖縄から見出される統治権力とはいかなるものなのでしょうか。そこでは、一見政治とは認識されない領域が統治を担っているのではないでしょうか。冷戦を国家間の国際関係に還元しないためにも、沖縄をトランス・パシフィックな広がりのなかにおいて思考することは必要ではないでしょうか。またそれは、いかなるプロセスを統治からの解放といい、脱植民地化と呼ぶのかという問いとも重なるでしょう。ともに考えたいと思います。ぜひご参集ください。

日時 2014年6月24日(火曜日) 16時より

場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階 SK289

報告者 小碇美玲(Women’s Studies University of Hawaii at Manoa)

テーマ 冷戦、ジェンダー、環太平洋(トランス・パシフィック)帝国主義の様相について:沖縄‒ハワイ間の「国際技術・文化交流」の動向を中心にして

内容の概要 冷戦期、ハワイ‒沖縄間において展開した国際技術協力・文化交流には目を見張らせるものがある。ハワイ州立大学および東西研究センターを拠点として進められた戦後沖縄の「近代化」のプロジェクトは、米国技術者・教育者の指導の下、農業、医療、看護、観光、都市計画等の知識・技術の移入に専心した。占領下沖縄を対象とした「国際開発」の事業は辺境の地であるハワイを冷戦外交の主要地へと変貌させただけではない。冷戦期における技術教育・交流は女性を対象とした家政学の指導にも力を注ぎ、またさらにハワイ在住の日系・沖縄系移民をもその渦中に巻き込みながら発展していった。今回のトークでは冷戦文化の「舞台裏の立役者」であるところの女性、移民、そして教育者の役割に光を当てつつ、米国軍事化の要塞であるハワイと沖縄の間で展開した「国際交流」の意義を検証し、太平洋という政治空間を舞台に繰り広げられた戦後沖縄支配の構造をジェンダーの視点より再考察する。