松島泰勝『琉球独立論』を読む(11月8日開催)
松島泰勝『琉球独立論』を読む
ポストコロニアル状況が端的に示すよう、脱植民地化のプロセスは、独立国家で完結するものではない。だがしかし、独立という政治を消し去ったところで脱植民地化が展開したこともない。新しい「帝国」内部における戦略枠組みや、国境を越えて散乱する社会を再構築する複数の試みを首肯した上でも、独立という政治は依然として存在するのだ。また一般的で理念的な解説でもってこの独立を論じてはならない。それはまずもって、プロセスとしてあるのだ。独立は論壇的空間に配列されたオプションではなく、場に密着し経験や痕跡が、力として姿を現すプロセスに他ならない。
いま、私たち前に一冊の書がある。この書は、極めて具体的に琉球独立のプログラムを提示する。その具体性は、ただの解説にとどまっている諸理論や思想的議論が再出発する始点でもあるだろう。また、地理的区分を越えて連累する政治の可能性もまた、この具体においてこそ検討すべきだと考える。
同書は宣言として書かれた。したがってそれは、発話主体を新しく作り出す試みだ。それが宣言というものだ。この宣言において広がる地平を可能な限り確認したいと思う。またこうした広がりは、まさしく同書を読むという行為においてこそ、なしえることに違いない。松島泰勝『琉球独立論』(バジリコ 2014年)を読みます!
発言者 喜山荘一、駒込武、小川正人、古波藏契
司会 冨山一郎 (著者の松島泰勝さんもいらっしゃいます!)
日時 11月8日(土曜) 12時半より
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館SK214
主催 同志社大学<奄美―沖縄―琉球>研究センター