国際日本学研究会

近代日本において、“日本”や“日本人”そして“日本文化”がどのように構築され、意味づけられ、解釈され、表象され、再生産されてきたのか、日本をめぐる学問・研究がどのように形成・流布されていったのかといった、“文化のプラクティス”をめぐる研究を目指す。学問分野や所属、国籍など問わず、広く日本学や日本文化の研究を志す人の参加を呼びかけている。活動の詳細は、機関誌『Cultures/Critiques』やウェブサイト「イシバシ評論」(http://blog.livedoor.jp/kunimitsu1950/)を参照。
http://blog.livedoor.jp/kunimitsu1950/

『文化/批評Cultures/Critiques』創刊の辞

 [国際日本学研究会]は、2006年11月3日に、第1回学術大会を全南大学校人文大学(韓国光州市)で開催し、国際的な日本文化研究のための議論・交流の場をめざして発足しました。第2回学術大会は、2007年4月7日に大阪大学(豊中市)で開催しました。第1回大会では8名、第2回大会では14名の発表があり、きわめて盛況でした。研究会創立、および学術大会の開催では、かなり試行錯誤の連続でした。この[国際日本学研究会]を順風満帆とはいかないとは思いますが、これからも鋭意尽力して継続させていこうと考えております。皆さんのご協力をお願いする次第です。
 この研究会の発足にあたって、その前身を少し辿ってみたいと思います。2000年から2003年にかけて、研究課題名「戦死者をめぐる宗教・文化の研究」で、科学研究費補助金を受けて、「戦死者のゆくえ」研究会を組織し、ニューズレター[戦死者評論]を発行しました。この研究会を終えるにあたって、科研報告書とともに、『文化の語りと実践、そして批評』(2003年)と題した論文集も刊行しました。そして、この研究会を継続させようと、[文化/批評cultures/critiques]研究会を設けました。
 この研究会の案内のために発行した[cultures/critiques](創刊号、2003年3月7日)には「大学の内外を問わず、テーマはなんでもありで、雑多な発表をしながら、政治的な立場は問わず、あるいは問いながらも、同じ舞台で討論することができる場が必要ではないかと考えています。特定の専門領域に閉ざされずに、また固執せずに、多様な領域を勝手気ままに横断しながら、交流し合えるような場を構想しています。地域や時代、ジャンルなどを問わず、大学などの研究機関の枠を超えて、雑多なテーマを出し合い、もしくは特定のテーマを設定して、討論・批評する場です」と研究会開催の趣意を記しました。
 第1回研究会は2003年3月31日に開かれました。この年、研究課題名「近代日本における宗教とナショナリズム・国家をめぐる総合的研究」で、再度、科学研究費補助金を受け、研究会は続行されていきました。そして、2003年から2006年にわたる研究期間の間に、『文化/批評[cultures/critiques]』と題した雑誌を2冊を2005年(春季号)と2006年(冬季号)に刊行しました。大学の内外を問わない執筆者による論文集ができあがりました。『文化/批評[cultures/critiques]』(春季号、2005年)刊行後、研究会メンバーから、これを踏まえ、[文化/批評(cultures/critiques)]研究会を発展させて、海外の研究者や留学生たちが各々の地で研究を続行し推進することを狙った、新たな研究会を発足させようとする提案がでてきました。『文化/批評[culures/critiques]』(冬季号)の「まえがき」に[国際日本学研究会]発会の予告を載せています。そして、[国際日本学研究会]は、第1回学術大会を2006年11月3日に開催し発足しました。
 [国際日本学研究会]の会誌名は、その前身である[文化/批評(cultures/critiques)]研究会のニューズレターのタイトル、および2冊の論文集名をそのまま踏襲しています。ここに、『文化/批評(cultures/critiques)』を創刊し、日本文化研究の横断的なネットワークの構築をめざし、現状をみすえつつ、ひとつの場をともに共有して、互いに議論の場を生み出していくこと、そこにこの研究会の存立の基盤を置きたいと考えています。最後に、あらためて研究会メンバーの参集を呼びかけて、創刊の辞としたい。
[文化/批評cultures/critiques]編集委員会、2009年3月