国際日本学研究会

近代日本において、“日本”や“日本人”そして“日本文化”がどのように構築され、意味づけられ、解釈され、表象され、再生産されてきたのか、日本をめぐる学問・研究がどのように形成・流布されていったのかといった、“文化のプラクティス”をめぐる研究を目指す。学問分野や所属、国籍など問わず、広く日本学や日本文化の研究を志す人の参加を呼びかけている。活動の詳細は、機関誌『Cultures/Critiques』やウェブサイト「イシバシ評論」(http://blog.livedoor.jp/kunimitsu1950/)を参照。
http://blog.livedoor.jp/kunimitsu1950/

【「日韓(韓日)国際日本学研究会」(仮)設立の呼びかけ】草案

   韓国の光州広域市の全南大学校人文大学の金容儀さん、大阪大学大学院文学研究科の川村邦光が呼びかけ人となり、ひとまず「日韓(韓日)国際日本学研究会」(仮)を設立しようと思います。  
  日本学という名をあげていますが、これといったディスプリンとして想定されているわけではありません。いまだ確立も定義もされていない課題としての日本学といった地平にあります。このような意味で、幅広く日本学を文化状況に関わる研究全般を指していますが、たんに限定された日本文化に関する研究ではなく、日本をめぐる文化研究といい表わすことができるかと思われます。この日本なるものをテーマにすること、あるいは日本なるものからテーマを発見し問題提起すること、そこに日本をめぐる文化研究の意義があると思われます。  
  この課題としては、近代日本の生成と展開といったテーマを掲げることができると思います。近代日本において〝日本〟や〝日本人〟そして〝日本文化〟がどのように構築され、意味づけられ、解釈され、語られ、表象され、再生産されてきたのか、日本や日本文化を語る学問・研究がどのように形成され流布されていったのかといった、〝文化のプラクティス〟をめぐる研究を目指すことになると思っています。  
  たとえば、明治以降(1910年以降からでも、また弥生・古墳時代、近代を含めてもいいのだが)から現在にいたる、日本、また近代日本なるものの生成と展開を一国内のみならず、韓国・中国も含めた国際的な領域において、各々の立場から相互批判的な視野をもって研究することを基本的な姿勢としたいと考えます。  
  この研究会の参加者・発表者は特に何らかの期間への所属や考え方の相違、国籍を問うことも限定もしませんが、日本学もしくは日本文化の研究を遂行している人びとを募りたいと思っています。  
今のところ、研究会のシンポジウムや発表を公表する報告書を何らかの形で刊行したいと考えています。そのためには、参加者のご支援がぜひとも必要となります。ご意見などありましたら寄せていただきたいと思っています。「日韓(韓日)国際日本学研究会」(仮)へ、多くの皆さんの参集を呼びかけ、ともに日本学研究の横断的なネットワークを生み出していきたいと考えています。 
(2004年11月25日、川村邦光)